「俳句の島」の夢


 

俳句は、古事記、万葉集の詠み人知らずの時代から、あるいは更に古く「歌垣」の時代から日本人が国民レベルで育み、楽しんで来た短詩型文学のひとつです。          

 

短詩型文学とは云え、「俳句」は詩であり、国民レベルで多くの人々が「詩」を

楽しむ文化は、現在世界に例がないといってもよく、日本人が祖先から受け継いで来た貴重な財産です。      

 

俳句等の短詩型文学(詩)を日常的に楽しむ文化を後世に伝え、また世界に向け

発信してゆくことは、日本人が人類に貢献し得ることであると思います。      

 

「俳句の島」は、インターネット上での句会実施のためのノウハウとシステム整備を進めることで、より多くの方々が、より気軽に俳句と句会の魅力に触れて頂けるようにしたいと考えます。             

 

インターネット上での句会には、下記のような方々にメリットがあると思います。  

 

              ①   お忙しい現役世代の方々

              ②   子育て、介護等で家を空けにくい方々

              ③   遠隔地にお住まいの方々

              ④   身近によい俳句指導者、句会がない方々

              ⑤   障害・高齢等で外出が難しい方々

              ⑥   より多くの句会に参加し、俳句を磨きたい方々

              ⑦   気軽に俳句を始めたい方

 

「俳句の島」は、こうした句会に参加することが難しい方々に俳句と句会の魅力を体験して頂ける俳句環境の構築をインターネット上で行うことを目指しています。

 

無論、インターネット上の句会にも、多くの弱点があります。             

 

その最大の難点は、句会参加者の顔が見え難いということです。          

 

顔を知っていらっしゃる方々が集まって、インターネット上で句会を開かれることが一番よいと思いますし、俳句大会、お花見等様々な吟行会のような形で参加者が一堂に会する機会を積極的に作ることも大切です。   

 

そして何よりも大事なことは、座の文芸における俳句指導者の問題です。          

「俳句の島」は結社ではありませんので、主宰はおりません。             

 

インターネット上の句会のそれぞれに良い俳句指導者を得られるかがとても大切です。   

 

その意味で俳句結社の俳人の方々に、是非「俳句の島」という場を活用して、俳句の普及を進めて頂ければと願っております。   

 

また、インターネット上の句会の場を活用して、新しい俳句の流れが生まれ、未来の俳句指導者が育てば更によいと思います。      

 

インターネット句会の立ち上げと、ある程度の句会に必要なシステムを整備するということは一個人でも可能です。      

 

しかし「俳句の島」の夢は、より多くの俳句を愛する皆様のご賛同を頂くことなしには、達成できないことも事実です。   

 

以下の「俳句の島」設立趣意書は、現段階では絵に描いた夢に過ぎません。      

 

ご賛同を頂ける方々がいらっしゃれば、絵の描いた夢も何時か現実となることを

信じ、敢えて形に致します。             

 

2018年4月吉日

「俳句の島」設立趣意書

 

【目的】             

 

1.インターネット上で俳句大会・句会を行うインフラ提供事業を目指す。

  インターネット上に、公開の俳句大会もしくは、公開もしくは登録者のみが

  参加できる句会を設け、句会を実施する。          

  そのノウハウの共有・普及とシステムの共同利用を推進する。          

 

2.電子書籍でも俳句関係の書籍、句集を集めた「電子図書館」を設け、検索可能

  な状況で保管し、またそれらの俳句資産を後世に伝える仕組み構築を目指す。      

3.俳句&HAIKU等の短詩系文学を楽しむ国民的文化の普及に向け、努力する。     

  国内で「俳句の島」が軌道に乗った段階でその海外版であるHAIKU ISLAND

  の開設を目指す。         

 

【俳句資産を末永く後世に残す仕組み】      

 

1.「電子データ」として俳句資産を蓄積する。     

   (注)①低コスト、②検索可能、③時代を超えた保存可能性。             

      将来的に、各種俳句データベース、結社誌のデータ等を譲り受け、

      保管する。

 

2.賛同者を集め、1.を実施する目的で非営利のNPO法人化を設立し、長期的な

  <俳句資産の蓄積・継承>を事業化する。   

  人間の寿命、結社の寿命を超えた形で、俳句資産の収集・公開・継承を図る。

 

3.上記目的を達成するために、一定程度の財政的健全性を図れるよう長期的に

  運営する。   

    著名俳人を選者に仰ぎ、定期的な俳句大会の実施。

       個人句集の電子化事業と「俳句の島」図書館での公開・保管。   

 

【俳句を人類の遺産として広め、後世に残す意味】   

 

1.AIが進歩する中、命ある人間にしか出来ない営みとしての俳句等の短詩型

  文学(詩)を楽しむという日本固有の文化を人類の文化とし、将来の世代に

  継承する。             

 

2.詩語としての美しい日本語を後世に伝える。   

 

3.各時代を生きた人々の生きた証、息遣いを残す。         

  後世の人々から振り返ると万葉集の「詠み人知らずの歌」のような意味合い。      

  激しく変化し行く時代、<今を詠む>「俳句」を残す。             

  なお、<今を撮る>「画像」等の自然と俳句に関連するデジタル資産も併せ

  蓄積・保管する。

                                           以上